ハンセン病とは

 ハンセン病とは、抗酸菌の一種であるらい菌 の皮膚のマクロファージ内寄生および末梢神経細胞内寄生によって引き起こされる感染症である。

現在はハンセン病が正式病名で、他の呼称は偏見・差別を助長することばとして使用しない。


病名は、1873年(明治6)にらい菌を発見したノルウェー人医師アルマウェル・ハンセンの姓に由来する。

感染はらい菌の経鼻・経気道的による感染経路が主流であるが、伝染力は非常に低い。現在では治療法が確立しており、重篤な後遺症を残すことも自らが感染源になることもない。予後のよい病気とされ、日本人の年間新規患者は10人未満。しかし、1907年に制定されたらい予防に関する件(法律)によって、長い間ハンセン病患者の人権が著しく侵害されてきた。96年、ようやくこの法律が廃止され、国立療養所への入所、外出制限などの差別的措置がなくなり、他の疾病患者と同様の扱いを受けることになった。